夏の終わりに観ておきたい青春ロードムービー!!【グッバイサマー】考察

  • 2021年9月8日
  • 2022年1月21日
  • 映画
  • 152view

https://stat.ameba.jp/user_images/20180502/14/junehashio/ba/09/j/o0960054014182330203.jpg?caw=800  より引用

 

 

今年の夏もあっという間に終わってしまいましたね〜
そんな、夏を満喫仕切れなかったあなた!!!
夏の終わりの切ない感じと涼しい風を浴びながら映画でも見て観ませんか???

そんな、夏の終わりに家で観たい映画を今回は紹介します!
今回の映画は「グッバイ・サマー」です!

あまり聞いたことがないかもしれませんが、なかなか良い作品となっていますので、詳しく解説していきます!
*ネタバレを含みますので、本編を楽しみたい方は作品を観てからご覧になってください。

では、いきましょう!!!!
グッバイ・サマー

 

グッバイ・サマー (Microbe et Gasoil)

 

公開年 2016年
上映時間 104分
監督 ミシェル・ゴンドリー
ジャンル ロード・ムービー
出演者 アンジュ・ダルゲン、テオフィル・バケット、オドレイ・トトゥ

2016年に日本で公開されたフランスの映画です。
監督はなんとあの、僕が観てきた中で一番好きな映画 ”エターナル・サンシャイン”と同じミシェル・ゴンドリー。
他の記事でエターナル・サンシャインの考察も書いているのでチェックしてください!!

”すべての人に観てほしい名作”【エターナルサンシャイン】考察

主演を務める少年二人のアンジュ・ダルゲンとテオフィル・バケットは他の作品でこれといった存在感はありませんが、アンジュ・ダルゲンが演じるダニエルの母親役のオドレイ・トトゥは “ダヴィンチ・コード”や”アメリ”などの有名作品に出演されています。

僕がこの映画を観た理由はひとつで、ミシェル・ゴンドリーが監督をしているという点だけです笑
では、あらすじを観ていきましょう!!

 

簡単なあらすじ(ネタバレあり)

✔︎ フランスに住む絵が上手な14歳の少年ダニエルと転校生のテオとのロードムービーです。絵を描くこと(個性的な)が好きな主人公のダニエルは最近性に目覚めて、女友達のことが気になったり、自分で描いた女性の絵で自慰行為をするなど、思春期真っ盛りのそこらへんにいそうな男の子。しかし彼は髪が長く女の子と間違われたり揶揄われたりするのがコンプレックス。

✔︎ そんなダニエルのところに現れたのが、転校生のテオ。テオはいつもガソリンの匂いを漂わせており、周りからガソリンというあだ名が付けられる。テオはかなり変わっている性格ですが、ダニエルとはなぜか仲良くなりお互いの家へ行き来するくらいの仲良しに。

✔︎ 学校が夏休みになった時に二人で作った車で、遠くまで行こうと決め、車を完成させ、二人は旅へと出ます。道中で様々な困難に見舞われますが、二人は無事に旅行を終わらせ、自分たちの街へと戻ってきます。

 

というような”ザ・青春ムービー”と捉えられる映画ですが、僕は少し疑問に思いました。

あの、エターナル・サンシャインの監督がこんな単調(いい意味で)作品を作るだろうか?

で、鑑賞し終わった後に、すぐにもう一度観ました。するとですね、この映画すごいです。

ここからは僕の独断と偏見で解説をしますので、”そんな考察はないだろ”などと思うかもしれませんが、温かく見守ってください。。

 

あらすじ 【全部ダニエルの妄想だった説】

https://lh3.googleusercontent.com/proxy/LRqCJd_M4e7DDg5qI0A8TMG9eH7ov_5iSZVdNOOrcK7uLS6d4DddGhR8JSRPlkq2ZDZ1SUrXWcVMOxLPpXu6ltmOuZaNTUO2HEkDfxaJUAXKz0YYh95uy42yRjL0GMYtAHhu23epV32MJ3PCmUcA56OsRTbEGw より引用

 

二人の出会い

周りから少し浮いた雰囲気を出す、ダニエル。髪が長く体も小さく、女の子と揶揄われる日々。ダニエルの母は心配症で、自立を求める年頃のダニエルには鬱陶しく見えます。彼の兄はパンクバンドにハマり少し破天荒気味。そんな家族で過ごすダニエルは、絵がとても上手。自分の絵で自慰行為するくらい。
そんなダニエルの元に一人の少年が転校してきます。親が、骨董品店を営むテオです。親の職業柄、彼からはガソリンの匂いがするのです。実は親の職業は関係なく、テオは機械をいじるのが大好きなだけで、ガソリンはそこからきたもの。
そんな二人は意気投合し、テオの機械をいじったり、ダニエルが個展を開くなど(テオ以外誰も来なかった)、少し変わった青春を謳歌します。

 

車を作ろう

捨てられた瓦礫やガラクタから車を作ろうと二人で決め、少しずつ完成にむけて進んでいきます。車を作る理由は、去年の夏休みに、テオが一度行った宿舎にいくため。そこのレストランには胸の大きな女の人がいてなど、なんとも14歳の少年が考えそうな理由ですね。テオはそう考えますが、ダニエルは夏休み前に女友達に告白されて、時間があったら、ここへ来てと場所が書かれたラブレターを受け取っており、ダニエルはそこに行くと決めつつ、テオの計画に乗ります。

 

いざ、旅へ

車両許可が降りなかったので、二人は車を作ることを諦めました。しかし数日後、やはり完成させようと二人は、車だとバレないように、家のように見える車を完成させました。14歳にしては上出来の完成度。
僕の勝手な考察ですが、この車を完成させるシーンから全てダニエルの妄想ではないかと思うのです
そのことを前提にこれから解説していきますね、、

そして、親には、お互いの家族と旅行に行くと嘘をつき二人は旅に出ます。ダニエルはパンクな兄からお金とスマホを受け取り、何かあったら、電話をしろと、いざという時は優しい兄。

困難の連続

出発してからは順調で、少年が夏休みに自作の車で旅に出るという夢にまで描いた青春の1ページを楽しむ二人。しかし、何もない田舎の広野が広がるところで、ダニエルが便意を催します。スコップとトイレットペーパーを手に持ち、森にいき用を足しますが、ポケットからスマホが滑り落ち、スマホの上にダブルチョコレートソフトクリームを完成させることに。スマホは諦め、仕方なく車に戻るダニエル。
日は暮れ、広場に車を止める二人。するとドンドンドドンとドアを叩く音が。外には一人の男性が立っており、
お前らうちの庭で何してる!降りてこい!”と。
家の中に案内され、食事を出された二人。”子供二人なのか?親は知っているのか?”と男性とその奥さん。
どうやら、心配してくれただけのようで、今日はここに止まって行けと、部屋を貸してくれました。
そんな状態にテオは進んで泊まらせてもらおうとしましたが、心配症の母を持つダニエルは、”ここは危険だ、逃げよう”と家から脱出することに。
逃げ出した、二人を追う男性ですが、ダニエルがスコップで一発。見事逃げ切りました。実はこの男性、歯医者をしており、ただただ良い人でした。

 

目的地変更!

目的地までまだまだ長いことに気づいた二人。するとダニエルが”ここからはずっと登り坂だ。目的地を変更しよう”と。テオは”一体、どこにするんだ!?”。
ダニエルが提案した先は、告白された女の子がいるところ。そのことをテオには言わずに二人は目的地を変えることに。
テオがダニエルに”お前はずっとその髪型なのか?”と聞くと。ダニエルが、”今から切ってくる。今すぐだ!”と思うがままに歩き始めます。ダニエルが行き着いた先は風俗店。そんなことも知らずに髪を切ってもらうことに。下着姿の女性にいきなりバリカンで真ん中を刈られ心配になるダニエル。すると店内で揉め事があり、驚いたダニエルはお金を払わずに店から飛び出す。あっさり、捕まり殴られそうになりますが、下着姿の女性に助けてもらい間一髪。しかし髪型は、落武者以上にひどいものに。テオは大爆笑。
捕まった時に何もできなかったダニエルはテオに喧嘩の仕方を学びます。”相手の耳元で何か囁くように、相手が顔を寄せてきたら鼻を一発だ!”。

 

到着!

こちらの道も登り坂が多く、テオは不満を漏らしますがようやく到着しました。するとそこにはダニエルに告白した女の子が家族でバカンスを楽しんでいました。テオは”そういうことだったのか、お前、はやくあいつのところに行ってこい”と。
ダニエルは”こんな髪型で会えるわけないだろ!”と。
仕方なく車に戻ると、なんと車は燃やされていてもう使い物にならない状態に。二人は喧嘩をし、別々の方向へと歩きますが、寂しくなったダニエルはテオをおいますが、もうそこに彼の姿はありません。仕方なくスーパーで勝手にバリカンを使い坊主にして、服を買いました。なにか声がすると思い、近寄ると大学生ラグビーをしており、ボールがダニエルのところに転がってきました。返そうと彼らに近づくと彼らは、ダニエルを風俗店でとっ捕まえた奴らでした。そのことに気づいたダニエルはボールを持ったまま逃走。それを追いかけるラグビーの大学生たち。捕まる寸前に、テオがあの車を直して迎えにきました。またもや、間一髪。しかし坂道でスピードが落ちず車は川底へと。

 

帰ろう!!

車を失った二人は、食糧を求め、ある街を見つけます。そこでは祭りが開催されており、絵画大会というものがありました。優勝商品はなんと飛行機の巨大ラジコン。あのエンジンを使えば、車が作れると思った二人は大会に参加。絵の上手なダニエルは周りの子供たちの絵と比べ物にならないくらいの完成度。しかし結果は、2位。理由は、絵は上手だが、個性が足りないとのこと。このシーンも何かを訴えているようで僕は好きです。
しかしなんと2位の商品がその場から彼らの街までの航空機チケットというありえない展開に。そして無事彼らは街に戻れることに。その途中、ダニエルは飛行機が逆走していることに気付きますが、目を覚ますと、いつの間に電車の中に。何もなかったようにテオは”またな〜”といって。それぞれの家に帰ります。

この飛行機が逆走しているシーンやいつの間にか寝ていて、気づいたら街に戻ってきているシーンからこの旅自体がダニエルの夢のなか、妄想だったのではないかと感じ取れますね。

 

ダニエルとテオ

家に帰るとダニエルの母は安心して、彼を抱きしめます。一方、テオの母は元々病気を患っており、それが悪化し、二人が旅をしている間になくなっていました。勝手に旅に出た罰としてテオの父はテオを軍隊に入れることに。それを知ったダニエルはかなりのショックを受けますが、もう仕方のないこと。
新学期が始まり、新しいクラス分けで盛り上がる学校。そこにテオの姿はもちろんありません。
するとそこにダニエルをからかっていた男子生徒が”俺らだけだな、同じクラスなのは”と今まで散々からかってきた生徒が掌を返したように接してきます。そして、”テオの奴転校したらしいな。あいつ変な奴だったからな”とひとこと。するとダニエルは”テオの本当のこと知りたい?”と耳元でささやき彼の鼻を思いっきりぶん殴ります。

 

終わりに

フランス映画ということもあり、少し身構えていましたが、意外とわかりやすい青春ロードムービーでした。
この映画からはダニエルの個性的な趣味やテオの周りとは少し違った性格などから個性の大切さをとても感じ取れます。また果たしてこの映画が、全て妄想だったかどうかは脚本家のみ知ることなので真相はわかりません。しかし全部ダニエルの夢だったと思ってもう一回見てみると何か違う風に鑑賞できるかもしれませんね。

だらだらと流れる映画というよりは、スムーズテンポよく展開していくので、とても見やすい内容でした!
夏真っ只中にみるというよりかは、夏の終わりや9月くらいにみると、雰囲気が出せるのではないでしょうか。今回はいつもと違って、伏線などがあまり散りばめられていない作品を紹介しましたが、これはこれで良い映画でした!

最新情報をチェックしよう!